チャレンジカフェから巣立った人たち

楽しむ工夫凝らした果樹園で、地域も元気に

真楽園
  細見眞也さん
丹波市春日町野瀬311
連絡先:090-2067-1114
丹波市春日町野瀬、栗柄峠のふもとに開園した「真楽園」。桃、ぶどう、栗、梨、キウイ等の幅広い果樹を栽培する、「もぎ採り体験型」の果樹園です。その中でも25㌃のブドウ園には3色、多品種のブドウがたわわに実り、訪れた人を楽しませています。
  • Q.
    果樹栽培に携わるようになって、何年くらいになりますか?
    A.
    4年前からで、実がなるようになってからはまだ2年目です。4年前まではサラリーマンとして、通信工事に携わっていました。定年まで農業に関わることもなく、定年前に「農業をするなら、自分も周りも楽しめるものを」と果樹園を作ることを思い描いていました。でも、定年退職した12日後に脳出血で倒れ、90日間入院。今でも左半身にまひが残り、不便を感じる日々です。ただリハビリを兼ねて楽しいことをしようと考えたときに、やはり果樹園をと思いました。「真楽園」の「楽園」は、自分自身も、世間全般も楽しめるようにという意味をこめています。

  • Q.
    ブドウ園も色とりどりの実がなり、見ているだけで楽しめますね。
    A.
    ここのブドウ園では25品種のブドウを植えています。黒系、緑系、赤系という3色様々な品種をもぎ採ってもらえます。今は、スーパーマーケットで様々な品種のブドウが手に入りますが、赤系のブドウが実際になっているのを見たことのある人は少ないでしょう。赤系のブドウもはじめは緑色の粒の集まりだったのが、リンゴのようにひと粒ひと粒が赤くなっていきます。緑系のブドウは日光に弱くすぐ焼けてしまうので、かぶせる袋の種類も違います。それぞれに育て方のコツがあって難しいこともありますが、珍しい品種を育てることで、「食べてみたい! どんな味がするんだろう」とワクワクしてもらえるような観光園になればと思っています。

  • Q.
    ただ購入するだけでなく、なっているのを見て、実際に手にすることで「美味しい」だけでなく「楽しい」感動が味わえますね。
    A.
    ぶどうは普通、もっと樹高が高いんです。が、私の場合手が高く上がらないので、袋をかけたり粒をそろえたりする作業がしやすいよう低めにしています。そのことで子どもたちにも手が届きやすく、自分でもぎ採ることができるんです。今年は地元の小学校から2年生を招待してブドウ狩りを体験してもらいました。毎年続けて地元の子どもたちに楽しんでもらうほか、「ぶどうってこんな風になってるんだ、こんなに美味しいものがここにあるんだ」と、都会の子どもたちにもどんどん体験してほしいと思っています。実際に始めてみて、子どもたちの喜ぶ顔を見られるのが一番の喜びです。ぶどう以外にも、7月には桃、ぶどうの後は栗、梨、キウイと11月ごろまで次々に色々な果樹が実をつけます。「来月はここに栗を拾いに来たいな」というように、長く楽しんでもらいたいですね。

    (一つ一つの袋に、品種と色、なり方が分かりやすく自作のシールで示されている)
  • Q.
    様々な工夫を凝らして、長く、何度も楽しんでもらえるようにされているのですね。
    A.
    サラリーマンをしている頃から、「定年になったら楽しめる、楽しんでもらえる農業がしたい」という想いはありましたが、楽しんでもらえるためのアイディアや、そのために何をしたらいいのかということは思いつきにくかったんです。実際に退職してからも何からはじめていいのか、どうすればいいのかと思ってたところで、商売の方法を教えてくれたのがチャレンジカフェでした。登記についてや、立ち上げるための資金繰り、実際の仕事を始めるために何が必要かなど細かく教えてもらえました。ここは都会のようなお店や施設は何もないけれど、それが都会の子どもたちには逆に喜んでもらえる。そういうスポットになることを目指して始めることができました。


    (赤、緑、黒のブドウをつめた箱での販売も)
  • Q.
    最後に、細見さんのこれからの展望をお聞かせください。
    A.
    口コミでお客さんも来てくれるようになっているので、果樹を一生勉強しながら、ここをきっかけに集落全体が活発になることも願っています。この観光園がある春日町の大路地区には観光地がないんです。今は篠山市からここに来る峠が大型バスで通れないのですが、現在工事中でもうすぐ通れるようになるので、篠山市と丹波市をつなぐ観光のスポットになれたら。果樹の他にも農作物などそれぞれの旬に「春にはこれがあるから、大路に行ってみようかな」と思ってもらえるように、集落全体で何かに取り組めたらと考えています。