先輩経営者に訊く

知恵合わせ「柏原のまち」プロデュース

株式会社まちづくり柏原
  代表取締役 荻野 吉彦氏
我がまちへの愛着や誇りが高まり、活動が生まれることでまちの魅力が輝きだす。その魅力で人々を惹きつけ、柏原を訪れる人を、新しい住民を増やしたい。地域開発のプロデューサーとして、住民、商業者、行政等多くの人々と連携しまちづくりを進める「株式会社まちづくり柏原」。代表取締役荻野さんに、柏原のまちづくりの裏話をお伺いしました。
  • Q.
    まず、「株式会社まちづくり柏原」の始まりについて教えてください。
    A.
    平成6年度に、柏原町商店街活性化事業が実施されたことがそもそもの始まりで、その後計画や法律が策定され、平成12年度に株式会社まちづくり柏原が設立されました。当時は122名の出資者からなる民間会社として始まりました。現在正社員3-4名、アルバイト5-6名で経営しています。
  • Q.
    具体的な事業内容は、どのようなものでしょうか。
    A.
    地域商業の活性化としては、テナントミックス事業を平成12年度から実施しています。また、城下町柏原の歴史性を活かす事業として、街なみ環境整備事業や街路美化事業なども実施しています。その他、コミュニティ再生に関する事業を行ってもいます。収益事業としては、具体的にはテナントの維持管理や、直営店であるイタリア料理「オルモ」の運営、まちづくり・地域活性化支援などが主な事業になっています。
  • Q.
    近年柏原町では、古民家を改修した飲食店や雑貨店など、新しい店舗がオープンしていますね。
    A.
    先ほど少しふれたテナントミックス事業で、「株式会社まちづくり柏原」は、空き店舗や古民家などの活用を推進してきました。丹波市にも大型ショッピングセンターがありますが、そのような店舗と『質』で差別化を図り、門前町、城下町である柏原の雰囲気にあった店舗を実現することを心がけています。たとえば、手作りのものやオリジナル製品などを取り扱い、その製品を取り扱うことで地域の方へどれだけメリットがあるかということを基準にしています。現在、イタリア料理オルモ、ガーデン栢、無鹿、まさゆめさかゆめ、明正堂、和さび、中島大祥堂、パンの蔵穂音等の事業に関わっています。
  • Q.
    柏原で商売したい、テナントでお店を出したいという人も増えているのですね。
    A.
    柏原で商売したら補助金があるらしいといううわさを聞いてこられるようです。役員の中の若い者に面接をしてもらっています。まずは書類審査を行い、面接では事業の内容を精査しています。売り上げ予想や顧客の範囲の予想、事業のコンセプト、どこの空き店舗をお使いになりたいかということを具体的に聞いていきます。補助金の内容も毎年変わるので、事業や改修等に応じて補助金の申請を行います。また私たちは全員商売をしているので、経営が始まったら経営的なアドバイスも行っています。
  • Q.
    経営のアドバイスをいただけるのは、とても心強いですね。
    A.
    もちろん経営コンサルの方のアドバイスも必要なのですが、現実に商売をやっている私たちだからこそできるアドバイスがあります。各テナントに担当者がついているのですが、信用の作り方や、顧客を逃がさない方法、獲得する方法などは、担当者だけでなく、会社全体で考えます。商売人7名が集まって、多角的に考えられるというのがうちの強みであると思っています。経営不振の時は担当者も含め複数の人数で話をして相談をしますし、税務的な知識ももっております。「株式会社まちづくり柏原」の経営自体も累積赤字の額等心配になることもありましたが、7年目くらいから利益も出だし、今年の半期決算も順調に行くようになりました。まだまだ「やりきった」とは言い難いですが、この仕事をしていてよかったと思っています。
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  • Q.
    今後、柏原にどのようなテナントさんが増えたらよいとお考えですか?
    A.
    今のまちづくり柏原のコンセプトが、「時の太鼓が響き、とどく“ロマン城下町かいばら”の創造」なのですが、それくらい小さい区画なので、その雰囲気に合ったお店が増えたらと考えています。高齢者が非常に多いので、生活の利便性を高めてくれるお店は厚く応援したいと考えています。例えば「パンの蔵 穂音」さんがそうで、地域の高齢者の方等住んでいる方も非常に喜んでおいでです。私どもの方で賃料の交渉などを大家さんと相談させていただくなど、全力で応援させていただきます。
  • Q.
    町全体が、一つの大きな会社のようですね。これからのまちづくりのビジョンをお聞かせください。
    A.
    テナントミックス事業のほか、町なみ環境整備事業もコツコツしていっています。柏原に住んでいると、変化に気付いてもらえることは少ないのですが、柏原高校の卒業生などが20年ぶりに帰ってこられたりした場合、すぐに気付いてもらえます。柏原を車ではなく、町歩きの場として楽しんでいただいているのが柏原の強みだと思っています。また、観光ボランティアが非常に発達しているのも柏原の強みですね。その観光ボランティアが案内した観光客が、去年に比べて確実に増えています。今後は、夜にまち歩きをしてくれる人を増やしていく方策を考えていきたいと思っています。我々の世代にない発想を、若い者がいろいろと出してくれていますので、楽しみにしていてください。