先輩経営者に訊く

お客さまも従業員も笑顔に!

株式会社ジョイランド
  代表取締役 池田佳之氏
おもちゃ、ベビー服、サイクルショップ等々、数々の事業を展開されてきた池田さん。9年前から自動車販売の事業を展開、お客様との一期一会を大切に、お客様から愛されるお店となる様日々努力されています。「多くの失敗を経験しました。」と語るその経験から学んだ、池田さんの経営について伺いました。
  • Q.
    池田さんが起業されてから、今までの歩みを教えてください。
    A.
    私は昭和60年に29歳で玩具店の「ジョイランド」を創業しました。初期投資が大体2000万円くらいでした。それまでの6年に、昼はサラリーマン、夜はスナックで働いて1000万円をためて、残り1000万円は信用金庫から借りました。昭和63年には篠山店を開店して、さらに店舗展開を図りたいということでレンタル店も開業したのですが、丁度平成14年に水害がありまして、その店舗が床下70~80センチの浸水にあってしまいました。そこで倒れてしまうかとも思ったのですが、何とか生き延びまして、三田で自転車屋さんを開業しました。
  • Q.
    たくさんの挑戦をされてきたのですね!
    A.
    でも、怖い思いをしたこともありました。平成4年ごろ、大手玩具店が関西に誘致され、私の知っている玩具店がどんどん閉店していくということがありました。大手玩具店は玩具の取引を直取引にしているので、勝ちようがないんですね。私の取引関係も大きく変わり、環境というのはある時急にガラッと変わってしまうものなんだということを知りました。その時の恐怖はいまだに残っています。
    3月1日開催のマネジメントカフェにて。熱心に聞き入る参加者。
  • Q.
    今は車の販売もされているのですが、車の事業を始められたきっかけは何ですか?
    A.
    息子が帰ってきたことが一つの転機でした。はじめは自転車屋を受け継ごうと思い試行錯誤をしていましたが、古参の従業員と息子の意見がなかなか合わないという課題もありました。そんな課題の中で、中古車のオークション代行に挑戦しました。オークション代行はうまくいかなかったのですが、その時に車屋さんと話していて、業界の性格上守りの要素が強いと感じたのですが、「もしかしたらこの業界で自分も経営できるのでは」と思いました。息子の状況も鑑みて、「二人で新規で車の事業をしよう」と提案しました。
  • Q.
    まったく新しい分野での挑戦だったのですね。
    A.
    53歳で初めて自動車販売に入りました。それまではただ必死でしたが、建物が立っていくのを見ると足がすくんでしまいました。全く経験のない事業だったので、どう経営していっていいか、手探りの日々でした。オープンの時は見積もりをパソコンで出す事さえできませんでした。それが今は3000名くらいの顧客管理ができるようになりましたが、それを生かすか殺すかは私とスタッフの考え1つだと考えています。それまでの経営の経験で、人が育っていないのに店舗展開をすると倒産につながってしまうのだなということを学んでいたので、今は一つの店を大きくして地元に根付いた仕事をしようと、それまでと全く逆の方針で経営をしています。
  • Q.
    車販売店のオープン当初は大変でしたか?
    A.
    はじめはクレームをたくさんいただきました。ひたすら頭を下げて、車の修理はもちろん無料で行わせていただきました。損害もありましたが、クレームから変えていくべきところを学ばせていただきました。自分たちで整備工場を持ち、今はベテラン整備員に「ここまで手を入れて販売するのですか」と驚かれるほどです。はじめはバッテリーの苦情が多かったので、テスターでOKのバッテリーでも今はすべて新品にして販売しています。バッテリーの交換などは、お客様に伝わりにくいところですが、損をしてでも売らせてもらうという気持ちで、今もやらせてもらっています。
  • Q.
    クレームから学びを得て、丁寧な販売をされるようになったのですね。
    A.
    あるお客さまから「いろんな車屋で買ってきたけど、初めてお前のところで2台目も買う気になった」という言葉をいただけたのが本当に励みになりました。クレームが少なくなったのは創業5年目くらいからでした。やはり、整備工場を持ったのがよかったのだと思います。クレームが少なくなると、良い方に回転していくものですね。クレームが多い時は苦しかったですが、信頼していただけると好循環が生まれる。その間を辛抱できるかどうかが鍵ですが、できない人が多いようですね。
  • Q.
    クレームを受けたときには、どのように対応されていますか。
    A.
    ただひたすら、お客様に尽くすと考えて対応しています。どのようなクレームもすべて受け入れるという姿勢ですね。時には厳しいお客様、ほかの方がとても見られないような隙間をチェックされるようなお客さまもいらっしゃいますが、どんなお客さまにもご納得いただけるような水準に達することができるよう、必死になって考えて納車しています。厳しいお客様こそ、こちらの水準を上げるために大切なお客さまです。また、穏やかに丁寧に、クレームを言われるお客様もいらっしゃいます。その場合、従業員がクレームを言われていると気付きにくいのですが、そのようなお客様の声を絶対に聞き逃さないようにということも徹底しています。
  • Q.
    多くの経験を積まれた池田さんの、経営方針を教えてください。
    A.
    私の基本的な方針は、ひとりのお客さまから多くをいただくのではなく、車検でも販売でも数多くやることで信頼を得ていきたいということです。苦しい戦略ではあるのですが、従業員やスタッフにも徹底させていることです。また以前は数多くの店舗を展開していく考え方でしたが、今は一つのお店を大きくしていくという想いでいます。そして従業員の待遇も良くしていきたいと思っています。以前は従業員の待遇までには目が行かないこともあったのですが、今はいい待遇があって、休みもしっかりあって、従業員が笑顔でいる、そんな店を作りたいと考えています。