チャレンジカフェから巣立った人たち

丹波から全国へ「深い満足を届ける」パン職人

「HIYORI BROT」
  塚本久美さん
パンを買うページ:https://hiyoribrot.stores.jp/
連絡先:hiyoribrot@gmail.com
丹波市氷上町に、小さなパン工房が生まれたのをご存知ですか?厨房は氷上町に、そして販売は全国に。店頭販売は行わず、パンは三種類のお任せセットのみ。そして店主の塚本久美さんは、丹波市出身でもなく、2016年3月に丹波市に移住してきたばかりなのだとか。ちょっとふしぎな、新しいパン工房にお邪魔しました。
  • Q.
    こんばんは!こちらが工房なのですね。
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    A.
    そうなんです。今、パンの発送が終わったばかりです。10月に開業したんですけど、当初想定していたよりもたくさんご注文をいただきまして、思っていたのの3倍の数をこなしています。忙しいんですけど、忙しいよりも「楽しい」の方が勝っている感じです。
  • Q.
    そもそも、パン屋さんになりたいという想いを持っていらっしゃったのですか?
    A.
    小さい時から、「職人さんになりたい」と思ってはいました。千葉県で育って、大卒で東京の広告代理店に就職したんですけど、その頃からパン屋めぐりは大好きで、東京で100軒くらいは食べ歩いていました。それで「美味しいな」と思うパン屋さんについていろいろ聞いていると、私が「美味しい」と思うどのパン屋さんも、志賀勝栄さんというシェフの方に教えてもらったとか、そこで修行していたという話で。「ああ、私は志賀勝栄さんの味が好きなんだ」と思っていたんです。そしたらたまたま共通の知り合いが、「志賀シェフが未経験の人取りたいっていってるよー」って教えてくれて、会わせてもらって、「来てみたら」って言ってもらって。そのまま8年間お世話になりました。本当に良い出会いだったと思っています。
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  • Q.
    その頃は、東京のパン屋さんで修業されていたようですが、それがどうして丹波市に?
    A.
    柏原町の「cafe ma-no」のオーナーさんが、当時私がいたパン屋さんの向かいのロースターさんでコーヒー豆を仕入れていて、縁があってパン屋さんにも遊びに来てくれました。それからやり取りをしているうちに、「丹波に遊びに行くね」という話になり、来てみたら「cafe ma-no」の店員さんでパンをされている人もいて、そのつながりがうれしくて、2014年ごろからはしょっちゅう丹波に遊びにくるようになりました。「cafe ma-no」オーナーさんの計らいで、お店を一日限定のパン屋さんにして、朝から丹波の農家さんや酒造場さんで材料をいただいて、それぞれにパンを焼くというイベントを行ったんですけど、それもとっても楽しかったんです。でも、その時もまだ私は「東京でお店を持とう」と考えていました。
  • Q.
    丹波に移住して丹波でお店を持とうと思ったのはいつごろからですか?
    A.
    2016年のお正月に丹波に遊びに来て、その時に出会った方に「うちシェアハウスやってるから、住んだら」って声をかけてもらって、そういう選択肢もあるかなと。そしてその時も「cafe ma-no」さんでイベントをしていたのですが、その時食べに来てくれた人が「このパン美味しいから、うちの裏に厨房作ってやるから、やったら」って声をかけてくれて。それが今厨房があるところのオーナーさんなんです。そこで「あれ? 住むところも決まりそうだし、仕事も決まりそうだぞ?」ってなっちゃって。東京に帰るときには「次は移住しに来まーす」って言っちゃってました(笑)。
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  • Q.
    それで、3月に移住してこられたのですね。通販というスタイルにしたのはどうしてですか?
    A.
    ただパンを作るだけじゃなくて、各地の生産者さんに出会って、援農をしたりお話を聞いたりしながらパンを焼きたいと思っていて。旅をしながら、パンを焼くスタイルでやるとなると、月に十日お店を閉めることになってしまう、そう考えると実店舗だったらお客さまがお休みの日に来てガッカリしてしまうかな、と。そこで通販というスタイルだったら、自分で自分の時間の自由をある程度きかせながらできるかなーと考えました。
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  • Q.
    開業する前に不安などはありましたか?
    A.
    不安はありましたね。資金面のことなどは分からないことばかりで。チャレンジカフェには、補助金の相談に行ったり、開業の講習会にも出たりして、そのあたりをいろいろと教えていただきました。税金に関する講習会もあって、行こうと思っていたのですが、開業してからは思った以上に余裕がなくて行けなかったんですけど、これからも色々と教えて頂けたらと思っています。
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  • Q.
    実際に開業して今、どのような思いを持っていますか?
    A.
    丹波は生産者さんも近くにいらっしゃって、今は小麦粉も市島町のものを使っていたり、お野菜も山南町のものを使っていたり、良い素材に出会えています。パンは全国様々なところに送っています。東京、大阪、名古屋などからのご注文も多いんです。焼いた後急速冷凍をして発送しているのですが、冷凍保存できるパンのニーズが思った以上にあるんだなと感じています。通販なので、なかなか直接お客さまと関わる機会は得られないのですが、今はSNSが発達しているので、私が仕込みの様子などをSNSにUPして、それをお客様が見て下さっていて、「あの写真のパンが届いた」と喜んでくださったり、お任せセットの中にはパンの説明や日頃思うことを書いたお便りを入れているのですが、それも喜んでくださっているみたいです。今もとても楽しいのですが、今後の展望としては、お客さまや周りの人たちと直に触れ合えるような機会もあったらなって思ってます。


    顔の見える材料を使って、丁寧に発酵させて作られるパンは、小麦も、野菜も喜ぶ素材の深みが味わえる仕上がり。心満たされる大地の恵みたっぷりのパンは、丹波から旅立ち、全国の人たちを笑顔にしています。


    Info
    「HIYORI BROT」塚本久美さん
    パンを買うページ:https://hiyoribrot.stores.jp/
    連絡先:hiyoribrot@gmail.com