先輩経営者に訊く

花専門店としてのオリジナリティを高める

有)足立花義 代表取締役
  足立 敬介氏
お客様の気持ちに寄り添い、期待に応えられるよう様々な工夫を凝らしている足立花義さん。 伝統行事に花が多く使われていた昭和初期から、花専門店だけでなくスーパーやホームセンターでも生花や鉢植えが取り扱われる昨今まで時代の変化に合わせてどのような工夫をしてきたのか、語っていただきました。
  • Q.
    「足立花義」さんの創業からの歩みをお聞かせください。
    A.
    昭和初期、青垣町にて祖父が創業しました。生花以外にも植木や薬草、庭石の設置なども行っていました。終戦後に戦死者のお供え用にお花の需要が増え、1970年に父が小売店舗をオープン、その後、成松店、柏原店を開店しました。1996年ゆめタウンの開店と共に柏原店を閉店してその後ゆめタウン店に集中させることになりました。私自身は京都でお花の修業を経て1982年に帰郷しました。現在の業務内容は生花や鉢物をはじめ、フラワーギフトのアレンジメントや雑貨などを取り扱っています。冠婚葬祭に関するお花の販売や、遠隔地への宅配サービス、花キューピットの事業もしています。


    ※花キューピットとは……全国的な花店のネットワーク。注文を受けた加盟店がお届け先の最寄りの加盟店に連絡、連絡を受けた加盟店が花のアレンジ等を行い届けるシステム。

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  • Q.
    お花業界は時代と共にどう変化しましたか?
    A.
    以前は生け花としての花や生け花用品等の需要が多く、伝統行事や節句、冠婚葬祭でも広くお花が使われてきました。和花中心でしたが、戦後から洋花が普及し、フラワーデザインの分野も浸透しました。1990年、花と緑の博覧会で花の需要はぐっと高まり、バブル期も多くの花を使ったギフト、花束の需要が増えました。その一方で生け花関連の需要は減り、またバブル崩壊後は震災も重なり需要が大きく落ち込みました。バブル期市内で12店舗あった花店も、現在は5店舗になってしまいましたね。現在ではホームセンターでご自宅用の花鉢の販売、スーパーマーケットでも仏花やご自宅用のカジュアルフラワーを取り扱われるようになりました。専門店のオリジナリティを出し、むやみな価格競争をするのではなく、品質の良い花を適正な価格で仕入れて花業界を守り育てることも重要です。
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  • Q.
    花専門店だからこそできることとは?
    A.
    贈り物をするときには専門店という方が多いのではないでしょうか。品質にこだわった花作りをしているので花のもちがよく、アレンジに独自の工夫がされているのは専門店ならでは、贈り物に合ったクオリティのものが提供できます。「ここの花は長く持つから」と仏花を求めに来る方もいます。カジュアルに安く提供しているスーパーと価格競争するのは得策ではなく、お客様の層や需要に合わせた高品質の商品とサービスの提供を行っていくことが大切です。また、品質管理を徹底することで、花のロスを極力減らすようにしています。コスト面だけでなく、花の為にもできるだけ廃棄したくないというのが花屋の想いです。
  • Q.
    変わっていく需要に対して、工夫されていることを教えてください。
    A.
    バレンタインやホワイトデー、ハロウィンに新しいお花の贈り物を提供できないかと考えています。葬儀では白木の祭壇を飾らずお花だけでのお見送りの方も増えているので、故人のイメージに合ったアレンジをさせていただくこともあります。また、自ら花に触れて体験することに注目されていて、フラワーアレンジ教室や、プリザーブドフラワー、ハーバリウムなど、インテリアとしての新しい花の楽しみ方が出てきました。新しいトレンドについていくことも大切にしています。そのために展示会に足をはこんだり、教室の先生方にお話を聞いたりと情報収集もしています。
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  • Q.
    足立さんのこれからの展望と、起業者へのメッセージをお願いします。
    A.
    何でもすぐに手に入る時代だからこそ、心の豊かさを求める人が増えて来ます。花は枯れるからこその楽しみがあります。花を愛でる文化を伝えていくこと、文化を分かって下さる方に良い品質のものをお届けすることを大切にしてます。癒しや心豊かな空間を提供することが花業界の大きな役目です。役目を果たすためには、ますます専門店ならではの専門性、品質を高めていくことです。花店もそうですが起業は、始めるのは比較的簡単なのですが、続けていくのは難しいものです。商工会に顔を出し補助金やセミナーなどの情報をもらうことも大きなヒントになります。大いに活用するといいですよ。