先輩経営者に訊く

トップの明確な経営方針が企業を発展させる

㈱アシダコーポレーション
  芦田喜三郎氏
特殊印刷業界において国内主要企業である、株式会社アシダコーポレーション代表取締役の芦田喜三郎さんを先輩経営者としてお招きし、自身の経験からの成功の秘訣をお聞きしました。
  • Q.
    芦田さんが経営者となった経緯を教えてください。
    A.
    私が大学生の時に父は縫製工場を経営していました。その当時、うちには多額の借金があり、大学4年の時期から本格的に家業の仕事をはじめました。当時同世代の間では金融業界が人気でしたね。こちらはペットボトル一本買うのももったいないと思っていました。見た目はボンボンやって言われてましたけど、なりふり構わず汗水たらして働いていました。大学在籍中から働いているので、営業の仕方などは全てお客さんに教えてもらいました。父に代わって仕事をやり、夜も徹して働いて27歳の頃、ようやく芽が出始めました。あの時の大変さがあったから今があるのだと思います。

    一人一人をしっかり見ながら話しを進める芦田社長
    photo 一人一人をしっかり見ながら話しを進める芦田社長
  • Q.
    会社を経営するにあたり、大事なことを教えてください。
    A.
    経費を減らしたら利益は上がります。利益を出そうと思ったら、経費落とすか、あるいはそれを維持して売り上げを伸ばすかのどちらかです。この法則は決まっていて、これをいかに追求するかがビジネスだと思います。例えばビジネスの相手を見極める時、大きい車に乗っているかどうか?大きいビルを建てているかかどうか?で判断します。軽自動車などに乗っていると安心しますね。名刺をつくるのも、机を買うのも全て経費です。どれだけ自分にシビアになれるかが問われるのがビジネスです。

    厳しい言葉が並びますが、愛の鞭です。
    photo 厳しい言葉が並びますが、愛の鞭です。

    また、経営者は戦国時代の武将と同じようなものです。お客さんがいるところに出て、お客さんを奪いにいく。他者よりも良いものを提供していかないとお客さんはついてくれません。常に新しいものを仕掛けていくことと、「厳しい気持ち」でビジネスと向き合わなければ、成功は難しいですね。

  • Q.
    起業のための資金を用意しようと思った際のアドバイスはありますか?
    A.
    起業を考えて金銭的なサポートが必要な時、親しい友人や親族からの借金を考えることがあるかもしれません。ですが私は、お金を貯めてからスタートすることを勧めます。
    資金を借りてしまうと返していくのは大変ですよ。借りる時は事業が順調に成長する予測で借りることが多いものです。ところが実際そうでなかったとき、借金が残るのと、貯金がなくなるのでは次までの立ち上がりの速さも違います。
  • Q.
    たくさんの挑戦を繰り返して来た芦田さん、
    挑戦に挑むかどうか見極めるポイントを教えてください。
    A.
    その挑戦がチャンスかどうかは、やってみないと分かりません。例えば私達が今、力を入れているシートの事業は、たまたま上手く歯車があって伸びかけ、いろんな取引先さまのニーズに応えていったことが事業を大きくするきっかけでした。ただ、トライしてみて上手くいくか分からないのに、それに賭けるというわけにはいきません。リスクをとったら儲かることもありますが、失敗したらその分マイナスは大きいものです。

    多岐にわたる商品展開からお客様のニーズに合う企画の多さが分かります。
    photo 多岐にわたる商品展開からお客様のニーズに合う企画の多さが分かります。

  • Q.
    失敗談などはありますか?
    A.
    建築CADのための人材を専属で雇って1,000万くらい投資したのですが、上手くいきませんでした。需要は伸びなかったし営業しても伸びなかった。本当にいろんなことをやってきたんです(苦笑)。GTクラスのポルシェを買って、パーツのビジネスをしようかと思ったのですが、これも上手く行かなかった。常に最悪のことを想定しながらビジネスをすることです。市場調査はやってみてもいいけれど、当たるかどうかは分かりません。「成功する保証はない」ということを、常に自分の心に置いておきましょう。落ち込んだ時でも夜逃げだけはしないように(笑)。
  • Q.
    失敗した時の「引き際」はどう見極めますか?
    A.
    10社、20社営業をかけてみて、あとは経験と感で見極めます。見極めた後も、逃げ道をこしらえておくとよいと思います。例えばバナーの商品をつくったとして、目的としていた活用例で販路を拡げられなかったら、他の用途で拡げられるかどうか予測を立てておくことで一定の損を解消できるようにします。
  • Q.
    社員さんとの関わりはどうされていますか?
    A.
    前向きに仕事をしてもらえるように促すことを意識しています。特に意識をしているところは「けじめ」をつけること。利益が上がった分は社員に還元するように、心がけています。会社の規模に関わらず、大きくても小さくても「前向きに働いてくれる人を増やす」ことが大事だと思っています。
  • Q.
    最後に、これから起業を考えている方へ一言お願いします!
    A.
    起業には大変なこともたくさんあると思いますが、先をみて希望をみて、チャレンジしてください!



    赤裸々なまでに自身の経験から学んだことを参加者と共有してくださった芦田さん、そのお話から芦田さんの誠実さや、これまで経験してきたことへの真摯な姿勢を垣間みることができました。芦田さん、ありがとうございました!

    株式会社アシダコーポレーションについてはこちら
    http://www.asida.co.jp/